鉄骨造の方が強くて火災に強い?正しく知る木造と鉄骨造の違いとは|埼玉の家づくりを応援
2026.06.10(更新)
2026.06.10(更新)
鉄骨造の方が強くて火災に強い?正しく知る木造と鉄骨造の違いとは

今回は、鉄骨造と木造の違いをお伝えしていきます。
なんとなく鉄骨造の方が強そうだし、木は燃えやすそう・・・なんて思っていませんか?
鉄骨造の木造の違いを「正しく」知ることで、それぞれのメリットがより一層際立ち、ご家族ごとの価値観に合わせた選択ができます。
今回は家づくりをスタートされたばかりの方向けに、よくある疑問などをもとにわかりやすくお伝えしていきます。
それでは、今回の記事の要点からお伝えします。
・地震に対する強さは、鉄骨造でも木造でも「ちゃんとした計算をして耐震性を確保していれば」、どちらも強い
・熊本地震の例でも、鉄骨造で全壊・半壊になっている例があり、躯体の素材ではなく耐震等級や計算方法、接合部の対策がしっかりされているか?を確認
・火災がある程度回ってしまうと、躯体が鉄骨造でも木造でも止めることはできず、火災の熱によって鉄骨は変形する可能性が高い
・火災保険だけをみると、鉄骨造の方が安くなるものの、木造でも準耐火構造という仕様にすると同様の割引を受けられる
・一般的には、断熱性・省エネ性を重視したい方は木造が有利、大空間や大きな吹き抜けをつくりたい方は鉄骨造の方が向いている
イエタッタ埼玉では、鉄骨造のハウスメーカーも木造のハウスメーカーもご紹介していますので、客観的な視点で解説していきます。
まず、耐震と呼ばれる「家の地震への強さ」は、結論「鉄か木か、素材だけで決まるモノではありません」。

なんとなく鉄骨造の方が強そうなイメージを持つ方が多いですが、実は熊本地震の例でも鉄骨造で全壊・半壊になっている例があります。
一方、その近隣で木造で倒壊していない家もあるので、鉄骨だから地震に強くて木造だから弱い、ということは一切ありません。
まずは地震のメカニズムから見ていくと、地震の揺れがきたとき、地面に固定されている家は同時に揺られるのと共に「慣性の法則」が働きます。
そのとき、地震のエネルギーを集中的に受ける部分は「接合部」と呼ばれる部分です。
この接合部が破断すると、1階部分が倒れてしまい、上に乗っている2階部分が滑り落ちるように倒壊します。
多くの震災で倒壊している家を見ても、工法の違い云々関係なく、1階が2階の重さに耐えられずに倒壊しています。
そのため、鉄骨造か木造か?という選択ではなく、この接合部が地震に耐えられるような設計になっているか?もしくは2×4工法など地震のエネルギーを分散させるようになっているか?が大事なポイントです。

このように躯体の素材の問題ではない、ということは理解いただけたと思います。
続いて、地震の強さを確認するポイントは大きく2つあります。
1つが、耐震等級と呼ばれる地震への強さを3段階で表した指標です。
耐震等級1は建築基準法同等のレベル、等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍のエネルギーに耐えられる設計になっていることを示します。
まずは、ご家族で検討されている会社が、耐震等級3に対応しているか?ご自身が購入しようとしている建売、もしくは建てようと検討している注文住宅のプランで耐震等級3が取れるか?をハウスメーカーと相談しましょう。
これも、〇〇工法であれば耐震等級3が取れるというわけではなく、間取りによって計算を行うため間取りによっては等級3に至らないケースもあります。
さらに、その耐震性を計算する計算方法も大事です。
簡易的な計算では、接合部の対策やエネルギーのかかり方などを、ほとんど考慮していない場合もあります。
もっとも安心感の高い計算方法は、構造計算(許容応力度計算)となります。
※一部のハウスメーカーでは型式認定と言って独自の計算方法を用いますが、構造計算同等以上の計算・ルールに則って構造設計しているケースが多いです
このように鉄骨造か木造か?のイメージではなく、詳しい計算で地震への備えを考えた設計なのか?をしっかり確認しましょう。

火災への強さも、家を建てる時に気になる点の1つです。
しかし火災の場合、火がある程度回ってしまうと、躯体が鉄骨造でも木造でも止めることはできません。
これも、なんとなく鉄骨の方が火に強そうなイメージを思い浮かべる方が多いですが、火災の熱によって鉄骨は比較的短い時間で変形・崩壊する可能性が高いです。
一方、木造は木に火がついたとしても芯まで燃えるまでには相当の時間を要するため、むしろ火への強さという意味では木造の方が強いと言えます。
ココも気にするべきポイントはどっちが強いか?ではなく、万が一火が出た時に逃げる時間が稼げるような対策が取られているかどうか?です。

画像出典:東京消防庁
一般戸建てで、死者が出てしまった火災原因を順番に見ていくと、「たばこ」「ストーブ」「放火」という順番になっています。(東京消防庁管内・令和元年から5年まで)
これらの原因を冷静にみていくと、どれも家の工法は関係ないことと、放火以外は室内からの出火が多くの原因となっています。
ただし、室内から出火した火のまわりは、住宅の工法で差が出てくるポイントのため、検討している会社で対策されているか聞いてみましょう。
この対策が取られているかどうか?は、「省令準耐火構造」になっているか?で判別することができます。
また、町の中心部や大きな道の近くなど「防火地域」「準防火地域」に建っている建築物であれば、元々「防火構造」にするため基本的に延焼しにくい建物になります。

工法で差が出る内容と言えば、火災保険の保険料です。
一番、火災保険が安いのはRC造のマンションですが、戸建ての場合はT構造もしくはH構造に分類されます。
戸建てで保険料が安価になるT構造(たいかのT)とは、鉄骨造・省令準耐火構造などが該当します。
T構造とH構造(ひたいかのH)との保険料の差額は、保険会社・地域・契約諸条件によって大きく変動しますが、おおむねH構造の保険料に比べて、T構造の場合は半額程度(※参考)で済みます。
ここまでの解説では、耐震・耐火といった側面において鉄骨造と木造では抑えるべきポイントをしっかり抑えれば、そこまで大きな差はないことがご理解いただけましたでしょうか。
それでは、鉄骨造・木造それぞれの得意分野から、家づくりにおいての優先順位でどちらがおすすめか?を紹介していきます。

一般的には、断熱性・省エネ性を重視したい方は木造が有利です。
鉄と木の素材自体の大きな差として、熱伝導率というものがあります。
熱伝導率とは熱の伝わりやすさ、つまり室内・室外の温度を伝えやすいかどうか?です。
鉄と木の両方をもった時、鉄の方が冷やっとした感覚になりますが、これは手の熱を鉄がうばいやすい素材であるわけです。
熱が伝わりやすいと、断熱性能には不利に働くため熱を通しにくい木造の方が有利です。

画像出典:大和ハウス工業株式会社 埼玉東支店 川口・鳩ヶ谷展示場
大空間、大きな吹き抜け、3階建て以上を検討している方は鉄骨造の方が有利です。
鉄骨は素材自体の強度を確保しやすいことから、比較的ロングスパンで空間を作りやすい傾向にあります。
また、3階建て以上の建物の場合にも鉄骨が用いられる事が多く、埼玉県内でも東京に近い都心部で多層階での建築を検討されている方は鉄骨造から検討するとよいでしょう。
今回は鉄骨と木造、どちらがいいのか迷っている方向けに、それぞれのポイントを解説してきました。
素材の違いが出る点としては、最後にあげた断熱性や多層建築での得意・不得意はありつつも、意外と素材による差は少ないと感じた方も多かったのではないでしょうか。
イエタッタ埼玉では、どちらの工法の会社を紹介していますが、それぞれに良さがありますので、視野を広げて検討してみると今まで気づかなかった良さが見えてくるかもしれません。
ぜひイエタッタ埼玉を活用して、みなさんが気に入る埼玉県内の会社を探してみてください。
▼執筆▼
住宅専門コンサルタント
大手ハウスメーカー/大手住宅設備機器メーカーでの経歴を持つ
保有資格:宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー2級