【施工事例解説】照明で部屋の雰囲気は激変。「間接照明」特集解説|埼玉の家づくりを応援

2026.06.10(更新)

【施工事例解説】照明で部屋の雰囲気は激変。「間接照明」特集解説

公開日: 最終更新日:

「モデルハウスのようなおしゃれな家は、何が違うのだろう」と感じたことはありませんか。
その答えの1つは、「照明計画」に隠されていることが多いです。
特に、光源を直接見せず、壁や天井に光を反射させて空間を照らす「間接照明」は、部屋の雰囲気を劇的に変える力を持っています。
しかし、ただ器具を隠せば良いというわけではなく、光の広がり方、反射させる素材との相性、そしてメンテナンス性など意外と緻密な計算が必要です。
今回は、イエタッタ埼玉に掲載されている素敵な施工事例をピックアップし、そのテクニックと採用する際のポイントを解説します。
それでは、今回の記事の要点から見ていきましょう。

・間接照明の最大のメリットは、光源を隠すことで生活感を消し、ホテルライクな「非日常感」を演出できる点にある

天井を照らす「コーブ照明」は、天井を高く見せる効果があり、リビングなどの広い空間に開放感を与える

壁面を照らす「コーニス照明」は、タイルや木目などの素材の凹凸を美しく浮かび上がらせ、空間にメリハリを生む

・光源の位置を低くするほどリラックス効果が高まるため、寝室や和室では「重心の低いあかり」を意識する

成功の鍵は「光源が見えないこと」と「調光機能」。眩しさを防ぎ、シーンに合わせて明るさを調整できる設計にする

 

1. 「天井」を照らして高さと広がりを創る

間接照明の中で、もっともポピュラーであり、かつ効果を実感しやすいのが、天井を照らす手法です。
一般的に「コーブ照明」と呼ばれ、天井の一部を折り上げたり、壁際に造作を設けたりして光を天井面にバウンドさせます。

 

1-1. 開放感を生み出す視覚効果

出典:夜も美しい屋上庭園で寛ぐお家|株式会社黒澤工務店

こちらの事例では、リビングの折上げ天井にやわらかな間接照明を取り入れることで、上質で落ち着きのある空間を演出しています。
天井まわりに光をまわすと、視線が上へと誘導され、空間に奥行きや広がりを感じやすくなります。
直接的な明るさだけに頼らず、天井面に光を反射させることで、家族が自然と集まりたくなるような、リラックス感のあるリビングに仕上がります。
リビングは家族が集まる場所であり、もっとも広い面積を占める空間です。
ここにシーリングライト(天井付けの丸い照明)だけを設置すると、どうしても「点」で照らすことになり、部屋の隅が暗くなりがちです。
一方、コーブ照明を用いて天井全体を「面」で光らせることで、柔らかく包み込まれるような安心感のあるリビングが完成します。

 

1-2. 構造と光のバランスが重要

出典:日時計の家|大野建設株式会社

この手法を取り入れる際の注意点は、天井の懐(ふところ)寸法です。
光をきれいに広げるためには、光源から天井面まである程度の距離が必要です。
距離が近すぎると、光が線のように強く出すぎてしまい、柔らかいグラデーションになりません。
上記の事例は平屋のため、天井の懐が取りやすいため実現できていますが、2階建ての1階リビングなどの場合は、構造上の確認が必須です。

 

2. 陰影の美しさを引き出す「壁面」のライティング

出典:郷愁の家|大野建設株式会社

次にご紹介するのは、壁面を上から下へ、あるいは横方向に照らす「コーニス照明」という手法です。
これは、空間を明るくする役割に加えて、壁そのものを主役にする演出テクニックでもあります。

 

2-1. 凹凸のある素材・クロス以外の素材との相性は抜群

出典:郷愁の家|大野建設株式会社

壁面を照らすライティングは、照らされる壁の「素材選び」が重要です。
こちらの事例のように、光の当たる面に特徴的な素材を使用することで、その魅力が倍増します。
木材だけでなく、例えばエコカラットのようなタイル、レッドシダーなどの細かい板張り、あるいは塗り壁など、表面に凹凸がある素材がよいでしょう。
上部(下部)から光が降り注ぐことで、素材の凹凸に陰影が生まれ、昼間とは全く異なる表情を見せてくれます。
単なる白いクロス(壁紙)の壁を照らすよりも、視覚的な重厚感や高級感が増し、空間のアクセントとして機能します。

 

3. 家と一体化させる間接照明の魅力

間接照明は器具自体の存在感を消し、光だけが存在するような空間は、生活感を排除したミニマルなデザインに最適です。
昨今のシンプルをベースにしたデザインには、間接照明の相性が非常によいです。

 

3-1. キッチンやTVボードを演出する

出典:上質感あふれる素材×デザイン ビルトインガレージのあるお家|株式会社黒澤工務店

最近のトレンドとして、キッチンの下がり天井や、造作食器棚まわりのデザインに照明を組み合わせるケースが増えています。

キッチンは作業場としての機能性が求められますが、LDK一体型の空間では、インテリアの一部としての美しさも重要です。

こちらの事例のように、アイランドキッチンや造作食器棚、ダイニングまわりを一体的に計画し、下がり天井から間接照明を取り入れることで、食事やくつろぎの時間まで上質に演出できます。
夜はリビングのメイン照明を少し落とし、キッチンやダイニングまわりの間接照明を活かすことで、日中とは違う落ち着いた雰囲気を楽しめます。
食事や晩酌、家族との会話の時間を、より上質に感じさせてくれる演出です。

 

3-2. 造作家具ならではの「洗練さ」

出典:視線の先の風景を楽しむモダンな平屋住宅|古郡ホーム株式会社

テレビボードを造作(オーダーメイド)する場合も、間接照明を仕込みやすい場所です。
テレビ背面の壁を照らすことで、テレビ画面の明るさと壁の明るさの差が縮まり、目の疲れを軽減する効果も期待できます。
この時、テレビボードを床から浮かせた「フロートタイプ」にし、その下に照明を入れるのもおすすめです。
床面に光が広がることで、重たい家具が浮いているような軽やかさが生まれ、床面積を広く見せる効果があります。
ただし、床のホコリや配線が見えやすくなるため、配線計画は事前に入念に行いましょう。
また、反射しやすい光沢がある床材を選ぶと、光源が反射して見えてしまうため、光沢がないタイプの床材を選びましょう。

 

4. 失敗しないための間接照明ルール

ここまで様々な事例を見てきましたが、間接照明を成功させるためには、守るべき鉄則があります。
ただ単にLEDテープライトを貼るだけでは、失敗のもとです。

チェック項目 内容 対策
光源の隠蔽 光源(LEDの粒)が
直接見えてしまうと興ざめ
見る人の動線(座った時、立った時)を計算して、
器具を隠す「アゴ」や「懐」を設ける
色温度の統一 メイン照明と間接照明の
色味が違うと違和感
基本は「電球色(オレンジっぽい光)」で統一。
作業が必要な場所のみ温白色を検討
反射面の仕上げ ツルッとした素材は
器具が映り込んでしまう
照明を当てる壁や天井は、マットな質感のクロスや素材を選ぶ。
映り込みを防ぐ

 

4-1. 「調光機能」は必須のセット

間接照明を入れるなら、スイッチは必ず「調光機能付き」にしてください。
間接照明は、その時の気分や時間帯によって、心地よいと感じる明るさが異なります。
映画を見る時は少し暗めに、来客時は明るめになど、シーンに合わせて光の量をコントロールできることが、満足度を大きく左右します。
また、高級感を演出するのであれば暖色、明るく広々とした空間にしたい場合は温白色もしくは蛍光色がおすすめですが、迷われる方は調色タイプの間接照明で色も可変できるようにしておくと後悔を防止できます。

 

4-2. メンテナンス性・清掃性も考慮を

間接照明、特にコーブ照明のような「受け」の部分には、どうしてもホコリが溜まりやすくなります。
高い位置にあるため掃除がしにくいのが難点ですが、定期的な掃除が必要となってきます。
設計段階で掃除機が届く高さにするか、ハンディモップで掃除しやすい形状にしておくなど、住んでからのことも考慮しながら相談しましょう。

 

5. まとめ

間接照明は、空間の質を一気に高めてくれる魔法のようなツールです。
しかし、その設計には建築的な知識と、光の性質を理解したプランニングが不可欠です。
「どこに」「何を」照らすのか、そして「どのように」隠すのか。
イエタッタ埼玉に掲載されている住宅会社は、こうした照明計画にもこだわりと実績を持ったプロフェッショナルばかりです。
「施工事例のこの写真のような雰囲気にしたい」という希望があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
明るさだけでなく、心安らぐ「雰囲気」も一緒に設計していきましょう。

 

▼執筆▼ 

家辞書/別所義浩

住宅専門コンサルタント
大手ハウスメーカー/大手住宅設備機器メーカーでの経歴を持つ
保有資格:宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー2級

 

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