埼玉で土地探しするなら知っておきたいハザードマップと基礎高さの関係|埼玉の家づくりを応援

2026.06.10(更新)

埼玉で土地探しするなら知っておきたいハザードマップと基礎高さの関係

公開日: 最終更新日:


今回は、近年増加傾向にある豪雨災害に備えるため、土地探しにおける「ハザードマップ」の正しい見方と、リスクを回避するための「基礎の高さ」についてお伝えします。
埼玉県は荒川や利根川といった大きな河川が流れており、平野部も多いため、水害リスクへの備えは家づくりの重要テーマです。
単にリスクがある場所を避けるだけでなく、万が一の場合でも被害を最小限にするための「建物の工夫」を知っておくことで、土地選びの選択肢が広がります。
それでは、まず今回のコラムの要点から見ていきましょう。

埼玉県は大きな河川が多く平坦地が広がるため、ハザードマップで浸水深を確認することが土地探しの第一歩
・浸水リスクがあるエリアでも、「基礎の高さ」を上げることで床上浸水を防げる可能性が高ま
・一般的な住宅の基礎高さは40cm~45cm程度だが、水害対策としてさらに高くする「高基礎」という手法がある
・基礎を高くすることは水害対策だけでなく、床下湿気の抑制やメンテナンス性の向上にもつながるメリットがある
・地域ごとの微細な高低差や過去の浸水履歴に詳しい、地元密着の住宅会社に相談することが安心への近道

 

1. 埼玉での土地探しとハザードマップの現実

埼玉県で土地を探す際、どうしても気になるのが水害リスクでしょう。
特に埼玉県東部~南部は平坦な地形が続き、荒川や利根川水系の影響を受けやすいエリアも存在します。
しかし、ハザードマップで色が塗られているエリアをすべて候補から外してしまうと、希望する生活圏内で土地が見つからないという事態になりかねません。
そこで重要になるのが、ハザードマップの「色」だけでなく「深さ」を読み解くことです。

 

1-1. 浸水想定区域図の「深さ」に着目する

ハザードマップ(洪水浸水想定区域図)には、以下のように浸水の深さがランク分けされています。
・0.5m未満
・0.5m~3.0m未満
・3.0m~5.0m未満
一般的に上記のように浸水想定深度が分類されており、国土交通省もしくは市・区などが出しているハザードマップなどで簡単に確認が可能です。
もし検討している土地が「0.5m未満」のエリアであれば、一般的な住宅の床高さでも、床上浸水を免れる可能性があります。
一方で0.5m以上のエリアの場合、通常の設計では床上浸水のリスクが高まるため、設計上の工夫が必要になってきます。
単に「危険だからやめる」ではなく、「どのような対策をすれば住めるのか」という視点を持つことが、土地探しの幅を広げるコツです。

 

2. 水害リスクを軽減する「基礎の高さ」とは

 

ここで、建物の構造的な対策として注目したいのが「基礎の高さ」です。
一般的な木造住宅では、地面(GL:グランドライン)から1階の床面(FL:フロアライン)までの高さは、およそ60cm程度になることが多いです。
これは基礎の立ち上がり部分(40cm~45cm)に土台や床材の厚みが加わるためです。
もしハザードマップ上の浸水想定が「0.5m(50cm)」程度であれば、ギリギリ床上への浸水を防げるかどうかのラインになります。

 

2-1. 高基礎(たかぎそ)という選択肢

浸水リスクへの物理的な対抗策として有効なのが、「高基礎」と呼ばれる仕様です。
通常の基礎の高さよりも高く設定することで、物理的に床の位置を上げ、水が室内に入ってくるのを防ぎます。
例えば、基礎の高さを通常より30cm~50cm高く設定すれば、床面の高さは地面から約1m近くになります。
これにより、床下浸水で済む範囲が大幅に広がり、復旧にかかる費用や手間を大きく軽減できる可能性があります。
もちろん、自治体の建築制限(高さ制限など)を守る必要がありますが、水害対策としては非常に有効な手段の一つです。

 

3. 基礎を高くするメリットとデメリット

基礎を高くすることは水害対策以外にもメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
これらを比較検討し、ご自身の予算やライフスタイルに合うかどうか判断することが大切です。
分かりやすく表にまとめましたので、参考にしてください。

項目 基礎を高くする(高基礎)メリット デメリット・注意点
水害対策 床上浸水のリスクを物理的に低減 想定を超える水位には対応できない
設計・価格 地面からの湿気が床下に届きにくく、
木材が腐りにくい
基礎コンクリートの量が増え、建築コストが上がる
点検・管理 床下空間が広くなり、配管の点検や
シロアリ検査が容易
玄関ポーチの階段段数が増え、出入りが大変になる
外観 家全体が大きく見え、立派な印象を与えることがある 構造計算上の配慮が必要

 

3-1. 日常生活への影響も考慮する

建築コストがもっとも大きな影響ではありますが、日常生活で特に注意したいのが、玄関の階段段数が増える点です。
基礎が高くなれば、その分だけ地面と玄関の段差が大きくなります。
小さなお子様がいるご家庭や、老後の生活を考えた場合、毎日の上り下りが負担にならないか検討が必要です。
スロープを設置するためのスペースを確保したり、手すりを設けたりするなど、外構計画とセットで考えることが重要になります。

 

4. 基礎高さ以外の水害対策も組み合わせる

基礎を高くすることだけが、水害対策ではありません。
予算の都合や高さ制限などで基礎を上げられない場合でも、いくつかの対策を組み合わせることでリスクを減らすことができます。

 

4-1. 設備機器の配置を工夫する

近年の住宅は、給湯器やエアコンの室外機など、生活に不可欠な設備が屋外に置かれています。
これらが水没してしまうと、浸水が引いた後もお湯が使えない、空調が効かないといった不便な生活を強いられます。
そのため、水害が不安な方は室外機や給湯器を専用の架台を使って高い位置に設置したり、可能であれば2階のベランダに設置したりすることも有効です。
また、外部コンセントの位置も通常より高く設定することで、漏電リスクを低減できます。

 

4-2. 内装材や断熱材の選定

万が一床下浸水してしまった場合を想定し、復旧しやすい材料を選んでおくことも一つの考え方です。
例えば、床下の断熱材には水を吸いにくいポリスチレンフォームなどを採用すれば、断熱材の交換リスクを減らせる場合があります。
(それ以上に構造躯体がやり替えになるため、焼け石に水状態ではありますが)
また、1階の床材に耐水性の高い素材を採用したり、汚れても拭き取りやすいフロアタイルを選んだりすることも、多少のリスクヘッジになる可能性もあります。

 

5. 地元の地理に詳しい住宅会社と土地を探す

ここまで基礎の高さや対策についてお伝えしてきましたが、最も大切なのは「その土地・エリアごとの特性」を理解することです。
ハザードマップはあくまでシミュレーションであり、実際の水の流れや溜まり方は、道路の勾配や側溝の整備状況によっても変わります。
「このエリアは少し土地が低いけれど、排水ポンプ場が近いから水は引きやすい」
「ここはハザードマップでは白いけれど、過去に内水氾濫で道路が冠水したことがある」
といった、地図には載っていない「生きた情報」を持っているのが、地元で長く家づくりをしている住宅会社です。

 

5-1. 土地購入前に埼玉の建築のプロに相談を

土地だけを不動産会社で決めてしまい、後から住宅会社に相談したところ、「水害対策のために追加費用がかかる」と判明するケースもなくはないです。
土地探しの段階から住宅会社に関わってもらうことで、その土地のリスクと対策費用をセットで検討することができます。
「基礎を高くする費用を含めても、この土地は割安なのか?」
「別のエリアで土地を探した方が、トータルコストは抑えられるのか?」
こういった総合的な判断ができるようになります。

 

6. まとめ

今回は、埼玉での土地探しにおけるハザードマップの見方と、基礎の高さによる水害対策について解説しました。
水害リスクを完全にゼロにすることは難しいですが、知恵と工夫で被害を最小限に抑えることは可能です。
これから長く住み続ける家だからこそ、安心できる土地選びと建物設計を行ってください。
私たちイエタッタ埼玉に掲載されている工務店は、埼玉の地域事情に精通したプロフェッショナルばかりです。
土地探しから建物のスペック、水害対策まで、トータルでサポートできる会社が揃っています。
不安な点や疑問点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

 

▼執筆▼ 

家辞書/別所義浩

住宅専門コンサルタント
大手ハウスメーカー/大手住宅設備機器メーカーでの経歴を持つ
保有資格:宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー2級

 

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