暑い夏をもっと快適に暮らすために、窓まわりの「遮熱・日射遮蔽」に着目|コラム|埼玉県での家づくりをサポートするイエタッタ埼玉

2026.06.10(更新)

 

今年も暑い夏になりそうです。気象庁の2024年6~8月の天候予想によると、埼玉県がある関東・甲信越の平均気温は60%の確率で平年よりも高くなると予想しました。6月上旬ですでに気温が30度を超えるなど、今年の夏も厳しい暑さとなりそうです。

 

住まいのなかで暑い夏を快適に過ごす工夫として、窓まわりの「遮熱・日射遮蔽」が効果的です。これから住まいを建てる人は、あらかじめ「遮熱・日射遮蔽」を考慮した間取りやインテリアを取り入れることがおすすめです。また、新しい住まいを検討するのはもう少し先という人でも、誰でも簡単に日射を遮るアイテムもあります。

 

今回は、住まいの「遮熱・日射遮蔽」を中心に、夏を快適に過ごす秘訣を紹介します。

-INDEX-

  1. 夏、住まいが暑くなるのはなぜ?
  2. 快適な住まいのポイントは「窓まわり」
  3. 高断熱住宅こそ「日射遮蔽」が重要
  4. 「快適な温熱環境」を実現するための4要素
  5. 夏、住まいが暑くなるのはなぜ?

 

夏、住まいが暑くなるのはなぜ?

 

 

外は30度を超える真夏の午後。「いくらエアコンの設定温度を下げてもなかなか室内が冷えない」という経験はありませんか? 実は、強い日射しで温められた床や壁、家具などが冷房を妨げる「熱源」となっている可能性があります。

 

主な日射しの侵入経路は「窓」。つまり、家のなかに入ってくる日射しを窓まわりで上手にカットできれば、快適な室内環境に一歩近づきそうということがわかります。

 

 

快適な住まいのポイントは「窓まわり」

 

住まいの温熱環境の話題になると、真っ先に注目される部位が「窓」です。

 

窓は、熱の通り道。夏の冷房時は、約7割の熱が窓などの開口部から室内に入ってきているとされています。一方、冬の暖房時は約6割の熱が窓などの開口部を通って外に逃げていくようです。これは熱の動きを絶つ「断熱」の話。1年を通して快適な室内を実現するためには、窓の断熱性能を高めることも重要ですが、夏は特に室内を温める直射日光をいかに遮るかがポイントになります。

 

出典:経済産業省資源エネルギー庁/省エネポータルサイト

 

高断熱住宅こそ「日射遮蔽」が重要

最近の住まいは断熱性能や気密性能が高く、室内の熱を逃がさない構造になっています。しかし、いったん熱を室内に取り込んでしまうと、熱を外に排出するのが難しいということにもなります。日射しは、太陽の熱によって照らしたものを温めます。高断熱住宅こそ、日射しを室内に入れない「日射遮蔽」が重要なのです。

 

住宅業界では、部材ごとにどのくらい日射を通すかを示す「日射熱取得率」が定められています。日射熱取得率は1が最大値で、数値が低くなるほど日射を遮る遮熱効果が高くなります。例えば、1枚の単板ガラスのみの日射熱取得率は約0.88で、約9割の日射が通過するとされており、ほとんど日射遮蔽効果はありません。また、最近の住まいで一般的な複層ガラスは約0.79。単板ガラスと同様、大部分の日射を通します。ただし、日射遮蔽効果のある金属膜付きの複層ガラス(Low-E複層ガラス)の場合は約0.40と日射遮蔽効果が急上昇します。

 

実際の住まいの窓まわりは、ガラスだけではなくカーテンやプリーツスクリーン、ブラインドなどと組み合わせてコーディネートしているはずです。生地の種類によっては日射遮蔽効果が高いものもあり、これらのインテリアによっても日射しはカットできます。日中、室内に差し込む日射しが気になる場合は、レースカーテンを閉めるだけでも日射遮蔽効果が高まります。

 

また、日射は室内よりも屋外でカットしたほうが3倍も効果的とされています。窓の方角によっては庇を深く出して窓の外で日射しを遮ったり、オーニングで窓辺に日陰を作ったりするとよいでしょう。庇やオーニングは、太陽の高度が高くなる南側の窓に設置すると、特に効果的とされています。また、昔ながらのよしずやすだれを窓辺に立てかけるだけでも十分な日射対策となります。

 

庭がある戸建住宅ならではの日射遮蔽対策として、夏は葉が茂り、冬は葉を落とす落葉樹も活用できます。樹種は、コブシやカシワなどの葉が大きい樹木が適しています。紅葉する樹木なら、夏から秋、冬へと移ろう季節感も楽しめるでしょう。

 

出典:経済産業省資源エネルギー庁/省エネポータルサイト

 

「快適な温熱環境」を実現するための4要素

 

ところで、快適な室内環境とはどのような環境でしょうか。代謝が大きい男性は暑がりで代謝の少ない女性は寒がりなどのように、快適だと感じる環境には個人差があります。これを踏まえて、理想の室内の温熱環境として次のような参照数値があります。

 

理想の室内の温熱環境
  空気の温度 空気の湿度 室内の表面温度 人体周囲の気流速
26~28℃ 60%以下 室温と同じ
空気温+2℃以下
0.0~0.5m/s以下
20~23℃ 40~60% 室温と同じ
空気温-2℃以上
なし

 

【冬】空気の温度が20~23℃、空気の湿度が40~60%、室内の表面温度が室温と同じかマイナス2℃以上、人体周囲の気流速はなし
【夏】空気の温度が26~28℃、空気の湿度が60%、室内の表面温度が室温と同じかプラス2℃以下、人体周囲の気流速が0~0.5m/秒
引用:旭化成ホームズ/ 快適な温熱環境とは?-快適な空間づくりのために、建てる前から知ってほしいこと

 

上の表で示した「空気の温度」と「空気の湿度」、「室内の表面温度」、「気流速」の4つの要素に、代謝量と服装の2要素を加えた6要素が、温熱環境を考える上で欠かせない6つの要素とされています。ここで注目したいのが、室内の床や壁、家具、カーテンなどの「表面温度」です。快適な室内環境は、表面温度と室温と同じかプラスマイナス2℃の範囲内が望ましいとされています。

 

熱は赤外線によって高い方から低い方へ移動する性質を持っています。これを輻射熱(放射熱)といいます。日射しで温められた床の熱は、直接触ることで熱が伝わりますが、輻射熱によっても伝わります。夏、床や壁の表面温度が室温よりも高いと、床や壁から熱が伝わって暑さを感じます。つまり、日射を遮るということは、できるだけ表面温度を上げないということでもあるのです。

 

先ほど、「日射は室内よりも屋外でカットしたほうが3倍も効果的」と紹介しました。例えば、室内側でカーテンやブラインドを使って日射をカットしても、そのもの自体が日射によって温められれば熱源となります。空気の温度のほうが低ければ室内に熱を放射し、それが不快感につながります。これが屋外の外付けブラインドやルーバーであれば、外付けのブラインドやルーバーが温められても、窓の断熱効果により室内に熱が侵入するのを抑えてくれるでしょう。

 

ちなみに、夏の風物詩でもある「打ち水」も、輻射熱の効果を利用しています。夏の日射しで温められたアスファルトや地面に冷たい水をまくことで、熱が移動。さらに、水が水蒸気に変わるために大量の熱を吸収した結果、アスファルトや地面の表面温度が下がり、輻射熱が和らぐという仕組みです。

 

厳しい夏の暑さも、日射をうまく遮るなどの住まいの工夫で快適に過ごすことができます。ただし、窓の大きさや方角などをしっかり計算しないと、期待する効果が得られない可能性もありますので、工務店やハウスメーカーに相談するとよいでしょう。夏の日射対策も考慮しながら、理想の住まいづくりの参考にしてください。

 

 

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執筆:住宅産業新聞社

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※この記事は2024年6月25日時点の情報を基に執筆しております。

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