「HEMS」「高度エネルギーマネジメント」をわかりやすく解説!実は「GX志向型住宅」の補助要件なので要注意|埼玉の家づくりを応援
2026.06.10(更新)
2026.06.10(更新)
「HEMS」「高度エネルギーマネジメント」をわかりやすく解説!実は「GX志向型住宅」の補助要件なので要注意

2025年度の家づくりで最も注目を集めている補助制度「GX志向型住宅」ですが、補助要件を満たすために「高度エネルギーマネジメント」が盛り込まれています。
普段から家づくりに携わっている専門家でさえ聞き慣れない「新しい単語」ですが、その特長やメリットを知ると「これからの住まいには必須のアイテム」との認識に変わるはずです。
今回は、新しい住宅づくりの専門用語「高度エネルギーマネジメント」や「HEMS」について簡単に解説します。

出展:エコーネット
高度エネルギーマネジメント(高度エネマネ)という単語は、2025年度の住宅取得支援補助制度のひとつ、子育てグリーン住宅支援事業の「GX志向型住宅」の補助要件として、導入が求められているシステムです。
つまり、住宅の断熱性能や省エネ性能を高くしても、高度エネマネを導入していない住宅は、GX志向型住宅の補助対象外となってしまうので、補助制度を活用しようと考えている人は注意が必要です。
「高度エネマネ」という単語自体は、経済産業省などが発行するZEHに関する資料のなかで、どのようなシステムなのかを次のように説明しています。
「HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)により、太陽光発電設備などの発電量などを把握したうえで、住宅内の暖冷房設備、給湯設備、省エネ設備などを制御可能であること」
つまり、高度エネマネとは、住宅内の家電や設備などを制御できる「HEMS(へムス)」の機能のことを指しています。
HEMSは、環境性能の高い住宅、主にZEHなどでは必ず搭載されているシステムで、太陽光発電システムで発電した電気や蓄電池に貯めた電気、あらかじめ炊き上げたお湯、エアコン、テレビ、ダウンライトなどの家電や住宅設備機器を操作する「住まいの司令塔」の役割を果たしています。
住宅会社によっては、すべての住宅にHEMSを搭載している場合もあり、HEMS付き住宅はこれからの住宅のスタンダードといってもいいでしょう。

出典:ZEH・HEMS・IoT住宅で省エネで快適な住まいにvol.1
GX志向型住宅の要件を満たす「高度エネマネ」については、子育てグリーン住宅支援事業のホームページ内に対象機器が掲載されています。
具体的な要件は、『住宅(戸建ておよび共同住宅)に、「ECHONET Lite AIF(エコーネット・ライト・エーアイエフ)仕様」に対応する「コントローラ」として、一般社団法人エコーネットコンソーシアムのホームページに掲載されている製品を設置すること』としています。
AIF仕様(アプリケーション通信インターフェース仕様)とは、メーカーが異なる家電製品や住宅設備などであっても、共通の通信ルールを守ることで連携・制御できるようにしたHEMSのことで、最近の主なHEMSはいずれもAIF仕様となっています。
代表的な製品名の一例を挙げると、「パナソニックのAiSEG(アイセグ)」や「シャープのクラウド連携エネルギーコントローラ」、「LIXILのホームデバイス」、「ネイチャーのNature Remo E(ネイチャー・リモ・イー)」などがあります。
このほかにも、エコーネットコンソーシアムのホームページには、500品番超の製品が掲載されています。

出典:ZEH・HEMS・IoT住宅で省エネで快適な住まいにvol.1
さきほどHEMSは「エネルギー管理の司令塔」と説明しました。
HEMSは、住宅内の電気の使用状況や家電・設備の稼働状況などを専用のモニターやスマホなどで表示・制御するシステムです。
メーカーによっては、室温や湿度、明るさ、二酸化炭素濃度などを表示するシステムもあります。
また、HEMSは接続する家電・設備が増えるほど、司令塔としての強みが発揮されます。
言い換えると、HEMS単体ではあまり役に立たないといっても良いでしょう。
HEMSとつながることで、より快適で省エネな暮らしが実現できる機器として「太陽光発電システム」「蓄電池」「燃料電池」「EV充電器」「エアコン」「照明機器」「給湯器」「スマートメーター」が挙げられます。
HEMSがこれらの機器を自動制御することで、「できるだけ電気を買わない暮らし」「万が一の災害に備える暮らし」「一年中快適な室室内環境を維持する暮らし」など、家庭によって異なる理想の暮らしを実現するサポートをしてくれるのです。

例えば、電気代が高騰を続ける昨今、できるだけ光熱費を抑えたいという要望に対しては、「日中、太陽光発電システムで発電した電気を蓄電池などに蓄えて、電気の消費量が増える夜間に使うことで、買電量を減らす」という指令をHEMSが各機器に自動で出して制御してくれます。
さらに、エアコンの人感センサーや気温センサーなどと連動して、人がいない部屋のエアコンを自動で停止するなどの省エネにつながる指令も出してくれます。
大容量の太陽光発電システムと蓄電池を搭載した住宅の場合、「自給自足」の暮らしが実現するかもしれません。
また、翌日から周辺地域に台風が上陸しそうだとの気象情報をHEMSが入手すると、停電が発生する可能性を考慮して、蓄電池に電気を溜めようと各機器に指令を出します。
太陽光発電システムで発電した電気は優先的に蓄電池に送られ、貯湯式の給湯器はタンクの容量満タンまで沸き上げを行い、万が一の断水にも備えます。
消費電力量を細かく確認できるため、自主的な省エネ行動を促す効果もあります。
部屋ごと、機器ごと、コンセントごとにどのくらいの電気を消費しているのかが把握できるため、無駄な電気使用を発見したり、こまめなスイッチオフで電気消費を抑えたりすることができます。

今回はHEMSのエネルギー管理にスポットをあてましたが、HEMSに接続できる設備機器は増え続けています。
玄関ドアやドアホンがHEMSとつながることで、外出先からスマホのアプリを経由して来客の応対が可能です。
照明のスイッチとつながっていれば、朝や夜などに自動で照明をオン・オフできます。
さらに、センサーやAIで、家族の生活習慣を学習させて、HEMSに最適な家電・住宅設備の制御をすることも近い将来、実現するでしょう。
新築時にHEMSを導入する場合は、ハウスメーカーが機器の設置や通信手段などの初期設定を実施することが多くなっています。
そのため、デジタル関係が苦手な人も安心してHEMSが導入できるのではないでしょうか。
省エネな暮らし、便利で快適な暮らし、安全・安心な暮らしなど、住宅の居住価値を「HEMS」(高度エネマネ)が叶えてくれます。
これからの住宅には、必須のシステムとなりそうです。
もし、HEMSを搭載した住宅に興味が出てきたら、HEMSを得意とする住宅メーカーや工務店を探してみるのもよいでしょう。
住まいや暮らし、ハウスメーカーや住宅設備メーカー、地域工務店、行政、自治体まで、住宅に関するあらゆるニュースを幅広く取り上げます。