注文住宅取得世帯の実態は?国交省の令和6年度住宅市場動向調査を徹底解説~後編~|埼玉の家づくりを応援
2026.06.10(更新)
2026.06.10(更新)
注文住宅取得世帯の実態は?国交省の令和6年度住宅市場動向調査を徹底解説~後編~

前編では、注文住宅の設備仕様、選ばれる理由などを分析しました。
では、その理想の住まいを実現したのはどんな人たちなのでしょうか?
後編では、注文住宅を取得した世帯の年齢層、世帯年収、住宅ローンや資金調達の実態などにフォーカスして読み解いていきます。
住宅の性能や仕様だけでなく、それを取得した人々の背景に目を向けることで、より現実的な家づくりのヒントが見えてきます。

画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
注文住宅取得世帯の世帯主の年齢構成は、「30代」が37.9%で最多、次いで「60歳以上」が20.9%、「40代」が17.6%、「50代」が11.5%となっています。
この60歳以上の割合が高い理由は、調査対象に「建て替え」も含まれているためです。
実際、新築世帯の平均年齢は42.1歳であるのに対し、建て替え世帯は60.7歳と20歳近い差があります。
注文住宅という選択肢は、子育て世代や働き盛りの世代だけでなく、老後の住まいの整備や終の棲家としても選ばれていることがわかります。

画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
注文住宅取得世帯の平均世帯年収(税込)は907万円。特に三大都市圏では1,042万円と、全国平均を100万円以上上回っています。
また、注文住宅取得世帯の83.9%が「配偶者あり」と答えており、共働きによる高収入世帯が注文住宅を実現しているケースも多いと考えられます。
世帯の平均居住人数は3.1人と、2人世帯と3人世帯がボリュームゾーンな一方で、「1人」も5%ほど存在し、「シングルでも小さな土地で自分に合った間取りの注文住宅」など世帯構成に応じた住まいの設計が反映されていると見られます。

画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
自己資金と借入のバランスを見ると、注文住宅取得世帯(新築・土地購入含む)の自己資金の中央値は300万円、借入金は4,200万円、総額5,030万円という構成になっています。
一方、平均値では自己資金が1,992万円、借入金が4,196万円と、中央値と大きく乖離しており、高額自己資金を用意できる一部世帯が平均を押し上げている実態が伺えます。


画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
また、8割近くが住宅ローンを有しており、購入資金の大部分を借入でまかなっている構造が一般的です。
さらに注目すべきは、住宅ローン減税制度の活用状況です。
注文住宅取得世帯の91.4%が制度を「受けている」または「受ける予定である」と回答しており、減税制度の利用が前提となっていることがわかります。

画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
この減税制度の背景には、住宅性能の向上があります。
特に「認定長期優良住宅」は57.3%、「ZEH水準省エネ住宅」は15.2%と、高性能住宅を選ぶことで、減税の恩恵を受けつつ、光熱費の削減にもつながるといった意識が広がっています。
これらの統計から、注文住宅取得者の多くは、ローンを中心に自己資金・援助・制度の活用をバランスよく組み合わせた、戦略的な資金繰りを行っていることが見て取れます。

画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
注文住宅取得世帯の借入金の返済期間は、建物購入の場合で平均33.9年、土地取得を伴う場合では35.6年に達しており、非常に長期のローンが主流となっています。
これは他の住宅種別と比べても最も長い水準であり、住宅ローンを長期間にわたり返済していく設計が求められていることを示しています。

画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
返済額の面では、年間返済額の平均は144.8万円(月約12万円)で、住宅種別の中で最も高くなっています。
年収に占める返済額の割合(返済負担率)も平均18.4%と高めで、家計における住宅費の重さがうかがえます。
一方で、15%未満に抑えられている世帯が約4割存在し、収入や生活費とのバランスをとりながら返済計画を立てている実態が見てとれます。
金利タイプに関しては、注文住宅取得世帯の85.9%が変動金利型を選択しています。
これは他の住宅種別においても同様の傾向が見られますが、特に注文住宅では顕著です。
固定金利選択型(10年以下・10年超)や全期間固定金利型を選ぶ世帯は少数派にとどまり、低金利を前提とした資金戦略が多数派であることがわかります

注文住宅は、住宅性能や間取りを自由に選べる一方で、資金的なハードルも高くなります。
今回の調査からは、約8割が住宅ローンを利用し、その大半が長期返済・変動金利を選択している実態が見えてきました。
さらに、自己資金の多寡や援助の有無によっても、計画の立て方は大きく異なります。
理想の住まいを実現するには、性能やデザインだけでなく、現実的な資金計画が欠かせません。
注文住宅の取得を検討している人は、ぜひこうした統計データをもとに、長期的な視点で家づくりを進めてみてください。
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