各社の間取り事例から読み解く動線設計の考え方と、ワンポイント知識|埼玉の家づくりを応援

2026.06.10(更新)

各社の間取り事例から読み解く動線設計の考え方と、ワンポイント知識

今回はイエタッタ埼玉でもご紹介しているハウスメーカー、地元の会社の実際の間取り事例を用いて、家事動線をスムーズに設計するためのコツや、間取り上の考え方などを紹介していきます。
特に回遊動線、リビング内階段の在り方、玄関からのアクセス、スキップフロアなど間取りを考える上でポイントになる要素をピックアップし、ワンポイント解説もあわせてしていきます。
それでは、順番に間取りを見ていきましょう。

 

1. 一条工務店の事例


出典:一条工務店|子育てをサポートしながら、 ライフステージの変化にも対応できる住まい

1つ目の事例は、キッチン・洗面脱衣室・デスクスペースを回遊動線でまとめた事例です。
キッチンは対面型のペニンシュラキッチンと、コンロ前に壁がないタイプになっており、調理中もリビング全体を見渡しやすい構成です。
①となっている部分は、リビング内階段を指していますが、お子さんの帰宅時に、家族と顔を合わせることができるメリットがあります。
何気ない声がけで、親子のコミュニケーションの機会も増えるとともに、お子さんの普段の仕草・行動を観察しやすくなります。
さらに③の位置にあるデスクスペースで、宿題などを行えば調理をしながらでも近くで様子を見守ることができます。
まさに幼稚園~小学生のお子さんがいるファミリー世帯におすすめの間取りです。

一条工務店の「ブログ」内で、様々な間取り例を紹介!

 

1-1. リビング内階段とリビング内学習


新築を検討されるご家族の多くは、お子さんがいらっしゃる家庭ではないでしょうか。
お子さんがいらっしゃる場合、注文住宅や建売を検討する際、リビング内に階段とデスクスペースを設けるか否か?でも大きく間取りの考え方が変わってきます。
先ほどの一条工務店の事例のように、リビング内階段はご家族の様子で目が行き届きやすくなるメリットがある一方、LDK空間全体が大きくなりがちで冷暖房にかかるエネルギーが増える側面があります。
昨今の住宅は高気密高断熱が進んでいることから、あまり心配されなくてもよいですが、リビング内階段の時は、冷暖房設計もしっかり考えておくと住んでからの後悔が少なくなります。
また昔とは異なり、リビング内学習の割合は小学生の約8割ともされており、もはやリビング内学習が主流となっています。(※出典:リサーチ | 積水ハウス
そのため、お子さんがいらっしゃる場合、事例で紹介したようなデスクスペースを設けることをおすすめします。
なお、デスクには照明やコンセントなどを備えておくこと、使い勝手がいいスペースとなり、お子さんも自然と勉強が捗ったり、在宅ワークや読書など幅広い使い方が可能となります。

 

2. ナビホームの事例


出典:グリーンガーデン広ケ谷戸5期 E号棟|ナビホーム株式会社

2つ目の事例の特徴としては3つあります。
 ・キッチンと洗面所を隣接させていること
 ・玄関からキッチンが近いこと
 ・リビングを通らずに洗面所に行けること

キッチンのすぐ隣が洗面脱衣室となっていることから、食事の片づけをしながら、お子さんのお風呂チェックも容易にできるような配置となっています。
そして、玄関とキッチンの位置関係にも注目です。
買い物で食材をたくさん買って帰宅するとき、キッチンが玄関から奥の方に位置していると、少し持ち運びが大変でもあります。
上記の事例では、玄関からリビングの扉を開けてすぐキッチンがありますので、動線としては短くおさまっています。
玄関に隣接したシューズクロークも使い方によっては、ストックするペットボトル飲料類などを置く場所としても便利です。

ナビホームの他の施工事例をチェックする

 

2-1. 帰宅後の動線を考える

今回のプランで考察していくポイントは、帰宅後の動線設計です。
上記で紹介しているナビホームの事例では、帰宅後にすぐ手洗いをしたい、お風呂に行きたいというご要望を持っている方にはおすすめの間取りとなっています。
実際に春先などは、外出先から帰宅したままリビングにコートなどを持ち込むと、花粉やホコリなども室内に入れてしまいます。
化粧品メーカーの花王が行なった調査では、室内に侵入する花粉の約4割が衣服や洗濯物に付着して侵入している、というデータもあります。(※出典:花粉に関する生活者実態とその対策の検証
ご家族内に花粉症がひどい方がいらっしゃったり、帰宅後に洗面所やお風呂に直行したい方は、玄関から洗面所・お風呂場へのアクセスを考えてみるとよいでしょう。
ここには正解はないため、ご家族内でよく普段の生活での「もっとこうしたい」といったポイントを話し合っておくと、間取りや動線を検討する際に便利です。

 

3. ポラスマイホームプラザの事例


※出典:【ポラスの分譲住宅】B/Nシリーズ|ポラスマイホームプラザ株式会社

3つ目の事例からは、スキップフロアが生み出す動線設計を考察していきます。
上の写真では、リビングが1段あがった空間になっており、ダイニングキッチンとリビングが物理的には繋がりつつも、心象的には空間が分離している事例です。
動線設計から見ると、なんとなく1段あがることがマイナスに捉えられがちですが、食事をする場所とリビングを空間として分けたい、という考え方もあります。
しかし完全に分離してしまうと、家全体の床面積が大きくなりがちであったり、それぞれの空間が狭く感じられやすくなるため、このように段差をつけることで空間の隔たりを創ります。
これによって、それぞれの空間を広がりとして共有しつつも、動線としてのつながりは持つことができます。

ポラスマイホームプラザの他の施工事例をチェックする

 

3-1. 在宅ワークやリビング内学習の場所の創出


※出典:【ポラスの分譲住宅】B/Nシリーズ|ポラスマイホームプラザ株式会社

つづいて、スキップフロアの使い方として、書斎スペースにするパターンを考えていきます。
コロナ禍以降、働き方も大きく変化し、在宅ワークを一部兼ねる方も増えています。
さらには1つ目の章で紹介したように、お子さんのリビング内学習の場所としても、デスクコーナーの需要はふえています。
このとき、スキップフロアを活用するのも1つです。
スキップフロアは先ほど解説したとおり、空間はつながりつつも段差があることで、心象的には少し距離を置く感じに設計ができます。
リビング内学習や在宅ワークで、ダイニングに近すぎることに少し違和感を持つ方や、在宅ワーク多めの方にとっては、このような動線設計もおすすめです。


また、上図の事例は本棚が併設されており、読書が趣味の方にも使い勝手がいい設計になっています。
ダイニング周辺のデスクスペースは、お子さんのリビング内学習に向いた動線ですが、反対にスキップフロアに組み合わせたデスクスペースは、オープンな空間での共用スペースとしても有益な動線が生まれやすくなります。

 

4.まとめ

今回は各社の事例から紐解く動線設計の考え方と、ワンポイント解説をしてきました。
様々な間取り集などをご覧になっていても、アレもよさそう、コレもよさそうと目移りしてしまうことも多いでしょう。
動線設計で失敗しないためのコツは、ご家族内での動きや趣味嗜好、なんとなく違う、といった感覚的なモノをしっかり話し合うことです。
その他にも、モデルハウスに行く前にご家族でしっかり話すべきポイントをまとめたコラムもありますので、ぜひあわせてご覧になってください。 

  

 

▼執筆▼ 

家辞書/別所義浩

住宅専門コンサルタント
大手ハウスメーカー/大手住宅設備機器メーカーでの経歴を持つ
保有資格:宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー2級

 

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