2027年に登場する「GX ZEH」って何?これからの家づくりに欠かせない省エネ基準を解説|埼玉の家づくりを応援
2026.06.10(更新)
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2027年に登場する「GX ZEH」って何?これからの家づくりに欠かせない省エネ基準を解説
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これから戸建住宅を建てる予定の人にとって、見逃せない新しい基準が決まりました。それが「GX ZEH(ジーエックス・ゼッチ)」です。
経済産業省は2025年9月、省エネルギー性能の高い住宅として新たに「GX ZEH」を設定すると発表しました。
GX ZEHの基準をクリアするには、現行のZEHを上回る高い省エネ性能に加えて、エネルギーの効率的な利用を支える「住宅の頭脳」ともいえるエネルギー管理システム(HEMS)や、再生可能エネルギーを無駄なく使うことができる蓄電池の設置などが必須になるとのこと。
早ければ2027年4月から、GX ZEHシリーズを名乗る住宅が建ち始めます。
国は、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、全体のエネルギー消費量の約3割を占める「住宅・建築物分野」の脱炭素化に力を入れています。
GX ZEHの誕生は、この流れを受けたものと言え、これから注文住宅を検討する方にとっても、GX ZEHは見逃せない基準となるでしょう。
そこで今回は、現行のZEHと新たに誕生するGX ZEHの違いなどについて紹介します。

まずは、現行のZEHについておさらいしましょう。
ZEHとは、「住宅の断熱性能を向上させるとともに、再生可能エネルギーと高効率な設備機器を導入することで、快適な暮らしを維持したまま、エネルギー消費量実質ゼロを実現する住宅」のことです。
ZEH定義は、一般的な住宅と比べて消費エネルギー量が2割以上少なくなる省エネ性能と、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーの導入が前提条件となります。
さらに、再生可能エネルギーによって実際の消費エネルギーがどのくらい減らせたかによって、いくつかのグレードにわかれます。
再生可能エネルギーが消費エネルギー量を上回る住宅(削減率100%以上)を『ZEH』(ゼッチ)と呼びます。
さらに、『ZEH』の要件に加えて、断熱性能や設備機器の省エネ性能が強化された住宅を「ZEH+」(ゼッチプラス)、消費エネルギー量の削減率が100%を下回るものの、75%以上の高い水準を達成した住宅を「Nearly ZEH」(ニアリーゼッチ)などとグレード分けしています。
これから建てる住宅が、どのグレードに分類されるのか、どのグレードを目指したいかなどの希望は、ハウスメーカーや工務店の設計担当者などに確認するとよいでしょう。
ZEHの普及率ですが、2023年度のデータによれば、1年間で9万7065戸の住宅がZEHの認定を受けているようです。
2023年度に新築された戸建住宅が約35万戸ですので、戸建てのZEH普及率は27.6%、4戸に1戸がZEHということになります。
2024年度のZEH普及率はまだ発表されていませんが、国による補助金や光熱費高騰に対抗するための高断熱・省エネ化などの流れを受けて、上昇すると見込まれています。
さらに2025年度は、省エネ性能の適合義務化という制度変更もあり、ZEH普及率はさらに引き上げられると予想されます。
もはや、「ZEHは日本の戸建住宅のスタンダード」といえるでしょう。

それでは、なぜ今、ZEHの基準を上回る「GX ZEH」を設定したのでしょうか。
その理由は、経済産業省がまとめた資料「GX ZEH・GX ZEH-Mの定義<戸建住宅・集合住宅>」から読み解くことができます。
国は、「2030年度以降に新築される住宅は、ZEH水準の省エネ性能を満たす」「2030年の新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備を設置」することを目標に掲げています。
さらに、「2050年の既存住宅(ストック)の平均でZEH水準の省エネ性能の確保を目指す」としています。そして、最終的には2050年のカーボンニュートラルの達成につなげる考えです。
国が目標として掲げる「2050年のストック平均でZEH水準の省エネ性能確保」とは、現在、国内に約6500万戸あるとされる既存住宅の半数近くがZEH水準の性能を満たさなければ達成できません。
仮に、これから建設されるすべての戸建住宅がZEH基準を満たしたとしても、年間35万戸、25年で約850万戸のZEH住宅が増える程度。
国内の既存住宅総数の2割にも届きません。
国は、新築のほかに既存住宅の性能向上リフォームによるZEH化も推進していますが、これから新築される戸建住宅のZEH化の徹底、そして省エネ性能の平均値を底上げする「ZEHを超える性能の住宅(GX ZEH)」の普及拡大が必要不可欠となります。
そこで国は、省エネ性能向上のけん引役とするべく、現行のZEH基準を上回る「GX ZEH」の基準を定め、「2030年代後半に広く普及される一般的な住宅」のモデルとして示しました。
つまり、10年先の「未来の住宅」が「GX ZEH」といえるでしょう。
一度建てたら50年以上は建ち続けるのが「住宅」で、だからこそ、今から「未来の住宅」の普及に取り組む狙いがあります。

それでは、現行のZEHとGX ZEHの違いについて確認しましょう。
主な違いは3点です。
①壁や窓などの断熱性能の強化②エネルギー消費量削減率の引き上げ③再エネ・HEMS・蓄電池の設置――です。
①壁や窓などの断熱性能の強化
現行のZEHは、住宅の断熱性能を示す基準(断熱等性能等級)について、等級5以上としていましたが、GX ZEHはもう一段階高い等級6以上となります。
新築住宅は2025年4月から、等級4以上の断熱性能の確保が義務づけられています。
この等級4とは、「暖房をつけた冬の室内温度が8度以下にならない性能水準」としています。
同様に等級5は「10度以下」、等級6は「13度以下」にならない性能水準となります。
②エネルギー消費量削減率の引き上げ
現行のZEHは、一般的な住宅と比べてエネルギー消費量を20%以上削減することが求められていましたが、GX ZEHでは35%以上の削減となります。
そのため、より省エネ性能の高い給湯器やエアコンなどの導入が必要となります。
③再エネ・HEMS・蓄電池の設置
一部の地域の住宅を除き、すべての太陽光発電システムや燃料電池などの再生可能エネルギーと蓄電池、エネルギー利用の最適化を支援するHEMS(エネルギー管理システム)の導入が必須要件となりました。
現行のZEHでは、再生可能エネルギーの導入のみが必須要件でしたが、GX ZEHでは蓄電池とHEMSが新たに追加されています。
このほか、必須要件ではありませんが、電気自動車の普及を見据えてEV充電器・電気自動車の大容量蓄電池を住宅と連携させるV2H充電設備の設置を推奨しています。
そして、現行のZEHと同様、再生可能エネルギーを加味したエネルギー消費量削減率によってグレード分けされています。
| GX ZEH+ | GX ZEH | Nearly GX ZEH | GX ZEH Oriented | |
|---|---|---|---|---|
| 定義 | 外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた住宅で 再エネ等により年間の一次エネルギー消費量が マイナスの住宅 |
再エネ等により年間の一次エネルギー消費量が 正味ゼロ、またはマイナスの住宅 |
再エネ等により年間の一次エネルギー消費量が ゼロに近づけた住宅 |
GX ZEHを指さない先進的な住宅 |
| 断熱性能(外皮性能) | 断熱等性能等級6の基準を満たす | |||
| 再エネ除く一次エネ消費削減率 | 35%以上の削減 | 35%以上の削減 | 35%以上の削減 | ― |
| 再生可能エネルギー | 必須 | 必須 | ― | ― |
| 蓄電池、HEMS | 必須 | ― | ― | ― |
| 再エネを加味した一次エネ消費量削減率 | 115%以上 | 100%以上115%未満 | 75%以上100%未満 | ― |
※ GX ZEH・GX ZEH-M定義<戸建住宅・集合住宅>から作成
※ GX ZEH Orientedは準100cm以上の多雪地域や敷地面積が85㎡未満の都市部狭小地などに建築された住宅が対象
※ 推奨事項としてEV充電/充放電設備の導入を検討

GX ZEHは「10年先の未来の住宅」といいましたが、実は2025年度からGX ZEHの要件を満たす戸建住宅が全国で建ち始めています。
国土交通省と環境省が実施する2025年度の住宅取得支援事業の子育てグリーン住宅支援事業では、現行のZEH基準を大きく上回る省エネ性能を持つ住宅を「GX志向型住宅」として1戸あたり160万円の補助金を出し、普及を後押ししていました。
この補助金は、補助額の高さから人気を集め、10月現在では申込数が予算上限に達し、新規受付は終了しています。
このGX志向型住宅の要件が、2027年4月以降にスタートするGX ZEHの要件とほぼ同水準となります。
当初は、GX志向型住宅の補助要件が相当高いハードルとみられていましたが、想定を上回る補助事業の申込を受け、「GX ZEHは十分普及可能」と判断したのかもしれません。
国は2027年4月のGX ZEHのスタートに向けて、今後も脱炭素に貢献する高い省エネ性能を持つ住宅の普及を継続的に後押しするでしょう。
国土交通省の2026年度予算概算要求ではGXの推進として「脱炭素効果の高い住宅・建築物の普及や木材利用の促進などを通じた住宅・建築物の脱炭素対策等の強化」に約1千億円の予算を要求しています。
これから住宅の建築を計画している人は、補助事業の有無についてもこまめにチェックすることをオススメします。
2030年代後半には戸建住宅の標準性能となる見込みのGX ZEH。
10年後、住宅性能の変化に取り残されないように、今から未来の住宅性能を先取りすることも検討してみてください。
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