大手ハウスメーカーの全館空調はどんな仕組み?専門家が分析!Part.1|埼玉の家づくりを応援
2026.06.10(更新)
2026.06.10(更新)
大手ハウスメーカーの全館空調はどんな仕組み?専門家が分析!Part.1
昨今、新築業界でも注目を集めている全館空調ですが、今回は大手ハウスメーカーのシステムを専門家の視点から分析していきます。
気になっているハウスメーカーのシステムはどんな使い勝手?いくらぐらい?こんなことが気になっている方にわかりやすくお伝えしていきます。
それでは、今回のコラムのポイントから見ていきましょう。
・業界シェア1位の桧家住宅のZ空調は、ダイキンのハウジングエアコンを活用したシステムで、フロアごとの温度管理を行なっている一方、騒音などの注意点も考慮しよう
・パナソニックホームズのエアロハスは、VAV(風量調整)ダンパーを活用しており、各部屋の温度を高め・低めといった個別設定ができる一方、設置場所などは要考慮
・三井ホームの全館空調は3タイプあり、家の大きさや機能によって分類されますが、40坪以下の住宅でのリーズナブルなスマートブリーズワンが人気

画像引用:全館空調「Z空調」〈シェアNo.1/グッドデザイン受賞〉
| 価格 | 目安:150万円 |
| 購入できる会社 | 桧家住宅・ヒノキヤフランチャイズ加盟店 |
| 温調エリア | 各階ごと |
| エアコン | ダイキン・ハウジングエアコン |
| 換気の有無 | 全熱交換併用あり(協立エアテック) |
| 電気代の目安 | 夏平均:4,482円 ・ 冬平均:12,758円 (公式HPより・機器単体、設置実例からの参考光熱費) |
| 保証・アフター | 10年間無償保証。日本リビング保証によるサービス |
| 交換費用目安 | 約35万円 ※2023年10月時点(公式HP) |
※2025年時点の公式ホームページ・カタログ記載内容
Z空調は業界シェアナンバー1の全館空調システムで、有名タレントを使ったCMでも名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
システムとしては、ダイキンのビルトイン式のエアコンと、換気メーカーの協立エアテックの換気扇を組み合わせた全館空調です。
専門用語ではハウジングエアコンと言いますが、壁掛けタイプとは異なり、天井に埋め込んで設置するタイプの中でも、家庭用のエアコンを活用しています。
各フロアごとに1台エアコンが設置され、ダクトで各部屋に温調された空気を搬送しています。
また、全熱交換気システムから給気された新鮮な空気も混ぜながら、室内循環する空気とともに各部屋へ搬送しています。

まずZ空調の一番の魅力は、検討しやすいシステム価格です。
様々な情報を集めると150万円が相場ではあるものの、中には100万円程からといった情報もありますが、おそらく平屋などでエアコンが1台の場合といった可能性もあります。
150万円自体は安いとは言いにくいものの、200万円を超える全館空調システムもある中で、「全館空調の中では小慣れた価格帯」で購入検討ができます。
一方、Z空調のデメリットは一部の口コミ等からも動作音ではないでしょうか。
カタログでも57dB〜63dBとなっており、この数値であれば近くにいると「結構気になる騒音値」です。(※60dB:静かな乗用車の中の音・日常会話の音量)
エアコン本体をどこに置くのか?間取りによっても異なりますが、廊下や洗面所に設置される場合、滞在時間は少ないはずなので問題になるケースは少ないと思われますが、念のために展示場などで音は聞いておきましょう。

画像引用:エアロハス – パナソニック ホームズ
| 価格 | 目安:約200~250万円 |
| 温調エリア | 各部屋ごと(風量調整による温調・温度の高め/低めの設定可) |
| エアコン | パナソニック製エアコン |
| 換気の有無 | 熱交換なし給気あり(プレフィルターあり) |
| 電気代の目安 | 一般的な全館空調システム比 27%削減(公式HP記載) |
| 保証・アフター | 機器保証のみ。保守点検契約などは無し(公式HP・Q&A記載) |
| 交換費用目安 | 公式HPでの金額の記載なし。 ※専用に開発・調整された高効率専用エアコンのエアコンを採用 |
※2025年時点の公式ホームページ・カタログ記載内容
パナソニックホームズは、昔から全館空調に力を入れているハウスメーカーの1つです。
「エアロハス」という独自システムを採用しており、1畳ほどのシステム機器1台を介して、1階~2階の各部屋に温調された空気を運ぶ全館空調システムです。
特徴は、それぞれの部屋に設置された温度センサーが室温の変化をチェックして、部屋ごとである程度の温度調整が可能な点です。
全館空調は各部屋の温度調整が難しい点がネックですが、エアロハスはVAV(風量調整)ダンパーを自動制御することで、日当たりの変化などによる室温の変化にも対応し、温度差を少なくするよう調整します。
なお、同グループのパナソニック製のシステムとなっており、類似のシステムが「With Air」というシステムで存在します。

パナソニックホームズのエアロハスの他社システムと異なるメリットは、HEPAフィルター搭載による空気清浄効果です。
空気清浄機などに搭載されているHEPAフィルターを採用しており、外気の汚れだけでなく室内の空気中に漂う細かなホコリや花粉、ハウスダストなども捕集してくれます。
「花粉対策製品認証」を取得しており、優れた花粉除去性能と高い省エネ性が評価されています。
デメリットは、システムの費用と置き場所ではないでしょうか。
費用は一般的な全館空調システムの相場からすると、やや高めという印象です。
また比較的大きな機器本体を床置きするため、1畳ほどの面積を占有する点は間取りプランを考える際にネックになるケースも考えられます。
日常的なメンテナンスを考えると掃除がしやすいというメリットもありますが、全体の建築費用への影響が少し気になるところではあります。
| 価格 | 目安:132万円 / 約200~250万円 (スマートブリーズワン:132万円 / スマートブリーズ:約200万円) ※スマートブリーズワンの価格は公式HPリリース資料より |
| 温調エリア | スマートブリーズエース:VAVでの個別制御ありで各部屋制御 スマートブリーズワン:全館一定 |
| エアコン | スマートブリーズエース・プラス:独自の埋込型エアコン スマートブリーズワン:壁掛けルームエアコン |
| 換気の有無 | ダクト式熱交換型1種機器併用 |
| 電気代の目安 | スマートブリーズエース:従来比約50%の省エネ化を達成 スマートブリーズワン:一般的な全館空調システム比 20%削減 |
| 保証・アフター | ※スマートブリーズエース・プラス 3年目以降に約2.5万円のメンテナンス契約費用あり 1年に1度のフィルター交換が必要 ※スマートブリーズワン |
| 交換費用目安 | 公式HPでの金額の記載なし |
※2025年時点の公式ホームページ・リリース内容をもとに記載
三井ホームも昔から全館空調を比較的積極的にすすめているハウスメーカーの1つです。
三井ホームの全館空調システム「スマートブリーズ」には3つのタイプがあり、エースとプラスは独自の大掛かりなシステム、ワンは壁掛けエアコンを活用したシステムです。
スマートブリーズエースは、天井裏もしくは床置きが選べるシステムで、スマートブリーズプラスは床下に配置するシステムになっています。
いずれのシステムも加湿機能がついていることから、空気が乾燥しやすい冬季には有難い機能です。
一方、価格を抑えたスマートブリーズワンは40坪以下の住宅を目安に導入される全館空調で壁掛けエアコンを使ったシステムです。
2つのシステムに比べて簡易的なシステムになっており、価格・システム構成などの観点から人気が高くなっている商品でもあります。
スマートブリーズには3つのタイプがあり、それぞれでメリット・デメリットが異なりますので、以下の表にまとめました。
| スマートブリーズ | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| エース | ・個別空調可能 ・設置場所が床/天井で選べる |
・費用が200万円超 ・メンテナンスに費用発生 |
| プラス | ・動力タイプがある (店舗併用住宅におすすめ) |
・費用が200万円超 ・メンテナンスに費用発生 |
| ワン | ・導入費用が比較的安価 ・メンテナンス契約不要 |
・部屋ごとの制御は難しい |
高価格帯のエース・プラスに関しては加湿などもあることや、個々の部屋への調整もできることから、年間を通じて空気質にこだわりたい方にはおすすめのシステムです。
また、プラスについては動力タイプがあることから、クリニックなどの店舗併用住宅を考えられている方にもおすすめのシステムです。
一方、年間で数万円のメンテナンス費用が発生することはデメリットではあるものの、定期的な点検費用と考えると、修繕・点検などをおまかせにしておきたい方にはむしろ手厚いサポートを受けられるという見方もできます。
スマートブリーズ・シリーズを検討する際には、導入価格・機能・メンテナンスなどを総合的に考えて導入するとよいでしょう。
今回は、大手ハウスメーカーの中から3社ピックアップして、全館空調の仕組みを簡単に解説してきました。
昨今の住宅は、高気密高断熱化が進んでいるので空調の効きもよいですが、各個室や脱衣室などまで快適な温度に安定させることができるシステムは有難いですよね。
全館空調は便利ではあるものの、比較検討が難しいシステムでもありますので、今回のコラムを参考にしてください。
なお、パート2ではセキスイハイム・一条工務店・ヤマト住建をピックアップしますのでお楽しみに!
▼パート2はこちら
▼執筆▼
住宅専門コンサルタント
大手ハウスメーカー/大手住宅設備機器メーカーでの経歴を持つ
保有資格:宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー2級