全館空調のランニングコストやメンテナンスの実態を徹底分析!|埼玉の家づくりを応援

2026.06.10(更新)

全館空調のランニングコストやメンテナンスの実態を徹底分析!

今回は全館空調の概要の解説につづいて、実際使ってみてから気になる部分をピックアップしていきます。
電気代って高くないの?メンテナンスが心配!
こんな疑問・不安を抱いている方におすすめの内容となっており、失敗しないための対策までわかりやすく解説します。
それでは、今回のコラムの要点から見ていきましょう。 

・全館空調の電気代の目安は、夏で3,500円~8,000円程度、冬は4,000円~10,000円で年間での平均は約5,000円程度となる(住宅自体が高断熱であることが前提)

・個別エアコンを3~4台稼働させることを考えれば、全館空調の方がランニングコストは安くなるものの、使い方や家の大きさなどにも大きく左右される

・メンテナンスで大きく注意するべき点は、ホコリ・カビ対策(普段と定期的な清掃性)

・ハウスメーカーなどは独自のシステムを使っていますが、機器を理解したアフター部門があるため不安は少なく、故障の際にも部品/エアコン本体交換でおおよそ片付く

・できれば契約前の段階で、どちらの方がメリットが高いか?シミュレーションなどで試算をしてもらうとよい

 

1. 全館空調の電気代の実態


全館空調の導入を考えたとき、一番最初に気になる点が「電気代っていくら?」ではないでしょうか。
まず答えからお伝えすると、システム・地域など条件により大きく異なるものの、全館空調の電気代目安は、夏で3,500円~8,000円程度、冬は4,000円~10,000円となっています。
つまり、年間で割算した平均的な月額電気代は約5,000円程度(年間で約6万円)となります。
もちろん、この電気代は住宅自体が一定以上の高断熱仕様であることが前提となっており、そこには気密性や換気方式なども大きく左右してきますので、まずは上記の金額を参考としてお考え下さい。

 

1-1. 月額で5,000円は安いの?


ここで、各部屋に個別エアコンを3~4台設置する、もっとも一般的な空調方式とどっちが安いの?と思う方や、そもそも目安の月額5,000円が安いのか、高いのか?と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
まず個別エアコンを複数台をずっと運転させるケースと比較すると、結論から申し上げると全館空調の方がランニングコストは安くなる場合が多いでしょう。
ただし、これは同じ面積の部屋を同じ時間、空調し続けている場合の比較となります。
単純に使っていない部屋のエアコンをこまめに消す、就寝中はエアコンを消しているといった間欠運転条件と比べると、電気代は個別空調の方が安くなることもあります。
このように、使い方や家の大きさ、間取りなどにも大きく左右されてきますので、一概に全館空調・個別空調どっちが安いか?と比較しにくい問題でもあります。
ただ、1つ言える点は平均して月額5,000円程度で全館の空調がまかなえているのであれば、比較的安いと言えます。

 

1-2. 有名な全館空調から見るリアルな電気代は?


ここで、有名なメーカーのシステムを例に取り上げて、電気代がいくらぐらいなのか?をみていきましょう。

1つ目が、全館空調の最大手であるZ空調です。
Z空調は、エアコンと全熱交換型の換気扇を組み合わせた機器で、いわゆるダクトエアコンを活用したシステムとなっており、各部屋に温調された空気を搬送して温度コントロールします。
公式ホームページでは実測の電気代が公表されており、夏(7月~9月)が3,348円、冬(12月~2月)が9,319円となっています。
※引用元:全館空調「Z空調」の魅力とは|お客様の声もアンケート調査しました – 【公式】桧家住宅|関西エリア(奈良・大阪・滋賀・京都)
なお、このデータ2019年当時のデータであることに留意する必要があり、2025年では2019年比で電気代が約1.2倍になっていること考えると、夏で約4,000円、冬で約11,200円が電気代の相場といえるでしょう。

 

つづいて、パナソニックの全館空調・ウィズエアーでも電気代の参考値が示されています。
約120㎡の住宅で、電気代は年間約5.5万円となっており、単純に12ヶ月での割算すると約4,580円となります。
※引用元:全館空調熱交換気システム「ウイズエアー」電気代・コストに関するQ&A
パナソニックのウィズエアーのデータも、前提条件がUA値0.37と高断熱な条件になっていることを考えると、一般的なZEH水準レベルの家になると、この金額から上がってくることも想定しておくべきでしょう。

いずれのシステムから考えても、全館空調にかかるエネルギーとしては年間で6万円程度とみておけば、大きく外すことはないでしょう。

 

2. 全館空調のメンテナンスや交換の実態とは?

つづいて、多くの方が不安視されるメンテナンスに関しての疑問を解消していきましょう。
全館空調でのメンテナンスで大きく注意するべき点は、ホコリ・カビ対策です。
そして、確認するべきポイントは「普段のお手入れ方法」「定期的な清掃性および費用」です。

 

2-1. 普段のお手入れが容易にできるかチェック


エアコンは、そもそも室内の空気を循環させながら温調する機器です。
システムにもよりますが、全館空調も例外ではなく室内の空気を大量に循環させることから、ホコリなどを定期的に清掃する必要があります。
これは壁付けエアコンのフィルター掃除と同じですが、全館空調はその倍以上の空気を処理していることから、同時に堆積するホコリも多くなります。
システムによってはフィルターを設けている場合など様々ですが、普段のお手入れとしてホコリを清掃するためのアクセスが容易かどうか?チェックしましょう。
小屋裏に入り込まないとできない、といったことになると、お手入れが億劫になって故障やトラブルに繋がりやすくなります。
なお、よくダクト内の清掃性を気にされる方が多いですが、空気が1年中流れていればダクト内のホコリなどは気にする必要はないでしょう。

 

2-2. 大掛かりな故障の場合のアフターメンテナンス


次に、10年以上経過した際など、大掛かりな修理・メンテナンスが必要になった時、どこが対応してくれるのか?は重要な問題です。
ハウスメーカーなどは独自のシステムを使っていますが、機器を理解したアフター部門があるため不安は少なく、故障の際にも部品/エアコン本体交換でおおよそ片付くことが多いです。
壁付けエアコンを活用したシステムの場合、エアコン自体を交換すればよいので比較的交換はしやすいでしょう。
なおZ空調では、参考のエアコン本体交換費用として35万円程度(2023年10月時点)となっています。
いずれも、そこまで高額な交換費用がかかるケースは少ないですが、念のために本体を丸ごと交換した場合の費用は確認しておくと安心でしょう。

 

3. 全館空調での後悔・失敗を防ぐための対策


最後に、全館空調を採用する際、失敗・後悔を防ぐためのポイントをお伝えします。
一番大事なポイントは、契約前の段階で、個別空調とどちらの方がメリットが高いか?シミュレーションなどで試算をしてもらうことです。
全館空調を扱っている住宅会社であれば、おおよそのシミュレーションなどができる会社が多く、年間で一番暑い日・寒い日に快適に暮らせるかどうか?光熱費がいくらぐらいになるか?このあたりを理解した上で導入することです。
全館空調でもっとも多い後悔は電気代とも言われていますが、ご家族が設定したい温度帯にしたときの光熱費が分かれば、昨今の高断熱住宅であれば温熱環境でそこまで後悔することは少ないでしょう。
あとは、床下エアコンなど簡易的なシステムの場合、使い方などもしっかり住宅会社から教えてもらって使うようにしましょう。
例えば、床下エアコンを夏に冷房で使うと、構造躯体などに結露を発生させ、カビや腐食の原因になります。
以上のように、失敗・後悔しないための方法は「知ること」です。

 

4. まとめ

今回は、全館空調の電気代やメンテナンスなど、導入後に気になるポイントに絞って解説してきました。
全館が一定の温度で安定するシステムですが、注意すべきポイントもたくさんあります。
システムごとの特徴・デメリット・使い方と、みなさんの考えられている家の間取りでのシミュレーションなどもしっかりした上で導入検討することが大事です。
正直、昨今の高断熱住宅でもHEAT20を超える住宅であれば、壁付けエアコン4kW(14畳用)程度で全館の温調をまかなえる能力があります。
そのエネルギーをどう搬送し、換気とどのように調和させるか?が難しいポイントですが、住宅会社ごとの考え方・経験値の差が出やすいポイントでもあります。
全館空調にこだわりたい方は、実際に見学に行って話を聞くことが一番理解を深めることができるため、ぜひイエタッタ埼玉を活用して検索してみましょう。

 

▼執筆▼ 

家辞書/別所義浩

住宅専門コンサルタント
大手ハウスメーカー/大手住宅設備機器メーカーでの経歴を持つ
保有資格:宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー2級

 

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