注文住宅取得世帯の実態は?国交省の令和6年度住宅市場動向調査を徹底解説~前編~|埼玉の家づくりを応援
2026.06.10(更新)
2026.06.10(更新)
注文住宅取得世帯の実態は?国交省の令和6年度住宅市場動向調査を徹底解説~前編~

国土交通省がとりまとめた2024年度の住宅市場動向調査によると、注文住宅の購入資金の平均値は6,188万円、中央値は5,030万円となりました。
2023年度の購入資金から377万円上昇し、ついに6,000万円台に乗りました。
このうち、埼玉県を含む南関東の回答に絞ると、購入資金の平均値はなんと9,136万円となっており、2023年度から1,583万円も上昇しています。
今回は、国交省の調査を基に2024年度の注文住宅の実態について分析します。
この調査は、今後の住宅政策を企画立案する際の基礎資料とすることを目的に、国土交通省が毎年実施しており、2024年度の調査は24回目となります。
調査対象者は、2023年4月から2024年3月の期間中に、住み替えや建て替え、リフォームを行った世帯です。
注文住宅は、「自分自身が居住する目的で建築した住宅に入居済みの人」と定義しており、2024年度に注文住宅を建築した人約25万人のうち、約2,000人に調査票を配布しました。
回収数は505件、回収率は25.5%で、回答者の属性は、大都市圏が257件、その他地域が202件、新築が387件、建て替えが66件、子育て世帯が251件、若者夫婦世帯が53件などとなっています。
※子育て世帯…高校生以下の居住者がいる世帯。
※若者夫婦世帯…着工・購入当時、世帯主年齢が39歳以下の2人世帯のうち、65歳以上および高校生以下の居住者がいない世帯。
画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
注文住宅取得世帯が比較検討した住宅については、「注文住宅」が91.7%で最も多く、次いで「分譲戸建住宅」が27.5%、既存(中古)戸建住宅が16.8%となっています。
分譲戸建住宅取得世帯の51.6%も注文住宅を比較検討しています。

画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
注文住宅取得世帯の住宅(ハウスメーカー)の選択理由を尋ねたところ、「信頼できる住宅メーカー(不動産業者)だったから」が55.3%で最も多くなりました。
一方、分譲戸建住宅や分譲集合住宅取得世帯では「新築住宅」だからという回答が最も多くなっており、注文住宅取得世帯にとって「信頼できるかどうか」が住宅の選択に特に重要だったようです。
住宅選択の理由となった設備等については、注文住宅取得世帯では「高気密・高断熱住宅だから」が68.2%で最も多いなか、分譲戸建住宅や分譲集合住宅取得世帯では「間取り・部屋数が適当だから」が最も多くなっており、住宅に求める設備や仕様に違いがみられました。

画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
住宅選択にあたって妥協したものについて聞いたところ、注文や分譲、新築、中古を問わず、すべての住宅で「価格・家賃(予定より高くなった)」が最多回答となりました。
特に、注文住宅取得世帯の69.3%が「価格」と回答しており、他の住宅と比べても回答割合が20ポイント以上上回っており、昨今の住宅価格上昇トレンドを反映しています。
一方「防犯性能の高さ」や「気密性、断熱性能」など、暮らしの安全・安心に関する項目は、9割超の人が妥協していないことがわかりました。
立地に関しても、「交通利便性」や「職場からの距離」、「交通・生活利便性」などは1割超の人が妥協したと回答した一方で、「自然災害に対する安全性の高い立地」は8%、「治安面で安心できる立地」を妥協したと回答した人はわずか1%と、予定よりも価格がオーバーしても、安全・安心はゆずれないと考える人が多いようです。
価格以外の注文住宅取得世帯が妥協した項目については、「住宅の広さ」(39.4%)、「間取り、部屋数」(31.8%)、「職場からの距離」(17.6%)などとなりました。

画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
施工者・物件を探した方法について、注文住宅取得世帯は「住宅展示場」が最も多く50.8%、次点が「インターネット」で46.6%となりました。
分譲戸建等他の住宅取得世帯は「インターネット」が最も多く、次点が「不動産業者」と、注文住宅取得世帯は自ら情報収集をする傾向が強いことがわかりました。
インターネットの活用内容については、どの住宅取得世帯でも「情報収集」が最も多く、注文住宅取得世帯では「ZOOMやTeamsなどを活用した物件説明、商談、工事説明」も18.1%となりました。
情報収集や資料請求だけでなく、打合せや契約などさまざまな場面でインターネットを活用しているようです。

画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
注文住宅の48.6%は「在宅勤務に専念できる個室がある」となりました。
このほか、「在宅勤務に専念できる仕切られたスペースがある」が9.2%、「仕切られてはいないが在宅勤務に専念できるスペースがある」が18.3%など、注文住宅の約8割が在宅勤務に対応した間取り・プランニングを採用しています。
一方で「在宅勤務に専念できる個室やスペースなどはない」は22.9%を占めており、分譲戸建住宅や分譲集合住宅などと比べると高い割合となっています。
居住者の要望にきめ細かに対応できる注文住宅の特長を示した調査結果といえるでしょう。

画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
省エネ設備の設置率は注文住宅が最も高くなっています。
二重サッシ(複層ガラスの窓)は86.3%、太陽光発電装置は57.3%の設置率となりました。
太陽光発電装置の設置率は2022年度から毎年10ポイント近い伸びを示しています。
ZEHやGX志向型住宅などの補助金対象となる要件を満たすためにも、省エネ設備設置は今後も普及拡大が加速していくでしょう。

画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
注文住宅取得世帯の通勤時間の変化についても調査しています。
注文住宅取得世帯の住み替え前の通勤時間の平均(片道分)は38.4分でしたが、住み替え後は42.6分に増加しています。
全体でみると、注文住宅と分譲戸建住宅が増加、分譲集合住宅と既存戸建住宅・既存集合住宅・民間賃貸住宅が減少と、住宅取得の際に重視する事柄の優先順位に違いがみられます。

画像出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書
また、住み替え前後の居住地は、注文住宅取得世帯の55.6%が「同一市区町村内」、41.0%が「他の市区町村から移動」となりました。
同一市区町村内での住み替え割合は、注文住宅が最も高くなりました。
注文住宅は「理想の住まい」を実現する手段である一方、価格上昇や通勤時間の増加といった現実的な負担も伴います。
高気密・高断熱、省エネ設備、在宅勤務対応など、住宅に求められる機能は年々進化しており、取得世帯の年齢層や収入水準にも変化が見られます。
住宅購入を検討中の人は、ぜひこの調査結果を理想の住まいづくりに活用してください。
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